免疫学:cDC1はCD4+ T細胞をプライミングし、ライセンシングを受けることで抗腫瘍免疫を誘導する
Nature 584, 7822 doi: 10.1038/s41586-020-2611-3
通常型である1型樹状細胞(cDC1)は、CD8+ T細胞のプライミングに必要な抗原クロスプレゼンテーションを行うが、cDC2は、CD4+ T細胞のプライミングに特化していると考えられている。CD4+ T細胞はまた、さまざまな機構(CD8+ T細胞のプライミングのために、CD4+ T細胞がcDC1を「ライセンシング」する過程など)を介してCD8+ T細胞応答を補助すると考えられている。しかし、このモデルは、in vivoあるいはヘルパーT細胞依存的な腫瘍拒絶の場合については、直接的に調べられていない。今回我々は、Xcr1Creマウス系統を作製し、腫瘍拒絶にCD4+ T細胞およびCD8+ T細胞を必要とするモデルにおいて、腫瘍拒絶を担う細胞間相互作用を評価した。その結果、腫瘍拒絶には予想通り、cDC1とcDC1による主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスI分子の発現が必要なCD8+ T細胞のプライミングが必要であることが分かった。予想外なのは、腫瘍由来の抗原に対する早期のCD4+ T細胞プライミングにもcDC1が必要だったことである。MHCクラスII分子をcDC1選択的に欠失させると、早期のCD4+ T細胞プライミングも抑制されたことから、これは単純にcDC1がcDC2によるプロセシングのために抗原をリンパ節へ輸送するからではない。さらに、cDC1でMHCクラスIIあるいはCD40のいずれかを欠失させると腫瘍拒絶が障害され、この結果は、CD4+ T細胞のコグネイト相互作用やCD40シグナル伝達がcDC1のライセンシングに関与することと一致している。そして、cDC1におけるCD40シグナル伝達は、CD8+ T細胞のプライミングのみならず、初期のCD4+ T細胞の活性化にも重要であった。このように、腫瘍由来抗原の場合、cDC1は自律的なプラットフォームとして機能して、CD4+ T細胞とCD8+ T細胞の両方に対する抗原プロセシングとプライミングを可能し、最適な抗腫瘍免疫に必要なクロストークを直接的に統合することができる。

