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発生生物学:SPOCD1は、piRNAが誘導するde novo DNAメチル化の実行に不可欠である

Nature 584, 7822 doi: 10.1038/s41586-020-2557-5

哺乳類では、体細胞からの生殖系列の獲得によって、生殖系列に極めて重要な問題が生じる。すなわち、ゲノムのメチル化を消去してやり直すことが必要となるのである。雄の生殖系列では、RNAが誘導するDNAメチル化によって、若くて活動性の高い転位性遺伝因子が抑制される。PIWIタンパク質のMIWI2(PIWIL4)とそれに結合しているpiRNA(PIWI-interacting RNA)が、転位性遺伝因子のDNAメチル化を指示する。piRNAがMIWI2を新生転位性遺伝因子転写産物に係留すると考えられているが、MIWI2が転位性遺伝因子のde novoメチル化を指示する仕組みは、生殖系列の不死性にとって重要であるにもかかわらず、ほとんど分かっていない。今回我々は、ゲノムのde novoメチル化が起こっているさなかのマウス胎仔始原生殖細胞で、MIWI2のインタラクトームを明らかにし、これまで知られていなかったMIWI2に結合する因子SPOCD1を明らかにした。SPOCD1は、若い転位性遺伝因子のメチル化とサイレンシングに不可欠である。マウスでSpocd1を欠失させると、雄特異的な不妊が起こるが、piRNAのバイオジェネシスにもMIWI2の核への局在にも影響は見られなかった。SPOCD1は核タンパク質で、その発現はde novoゲノムメチル化の時期に限定される。SPOCD1はin vivoでは、de novoメチル化装置の構成要素であるDNMT3LやDNMT3Aだけでなく、NURDやBAFというクロマチンリモデリング複合体の構成要素とも一緒に精製される。我々は、MIWI2を新生転位性遺伝因子転写産物に係留させることによって、抑制性のクロマチンリモデリング活性やde novoメチル化装置をSPOCD1を介して引き寄せるというモデルを提案する。これらの結果をまとめると、哺乳類でpiRNAが誘発するDNAメチル化の実行に不可欠な、これまで知られていなかった因子を我々が見つけ出したことになる。

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