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構造生物学:ヒトパネキシン1の構造から明らかになったイオンの通路とゲート開閉機構
Nature 584, 7822 doi: 10.1038/s41586-020-2357-y
パネキシン1(PANX1)はATPを透過させるチャネルで、血圧調節やアポトーシス細胞の除去、またヒト卵母細胞の成長のような多様な生理学的機能に重要な役割を担っている。今回我々は、七量体を形成しているヒトPANX1の複数の構造を、最高で2.8 Åの分解能で明らかにした。これらには、アポ状態、カスパーゼ-7で切断された状態、カルベノキソロンが結合した状態が含まれる。また、2つのイオン透過経路を含むゲート開閉機構が明らかになった。正常な細胞状態では、広いメインポアへの細胞内進入口は、C末端尾部により物理的に栓がされている。小型の陰イオンは細胞内ドメインにある複数の細いトンネルを通って移動する。このようなトンネルは、メインポアにつながっていて、N末端ヘリックスと1つ目の膜貫通ヘリックスの間を連結する長いリンカーによって開閉する。アポトーシスが起こると、C末端尾部はカスパーゼにより切断され、ATPはメインポアを通過して放出できるようになる。我々は、細胞外の入口にあるW74により囲まれたカルベノキソロン結合部位を特定し、カルベノキソロンがチャネル阻害剤として働くことを明らかにした。さらに、糖鎖付加が欠損している変異体であるN255Aを用いて、ギャップ結合様の構造を明らかにした。我々の研究により、PANX1、およびこれに似た大型のポアを持つチャネルでのチャネルゲート開閉と阻害の基盤である分子機構を理解するためのしっかりした出発点がもたらされた。

