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構造生物学:内膜に必須のリポ多糖–PbgA複合体の構造
Nature 584, 7821 doi: 10.1038/s41586-020-2597-x
リポ多糖(LPS)はグラム陰性細菌の外膜に存在し、障壁機能に関わっている。LPSは敗血症性ショックでの死亡を引き起こすことがあり、そのリピドAコアは抗生物質ポリミキシンの標的である。ポリミキシンや多剤耐性株出現の臨床的重要性にもかかわらず、LPSの生合成を調節する細菌因子についての我々の理解は完全ではない。今回我々は、内膜タンパク質PbgAについて詳細に調べ、これが存在しなくなると、LPSのレベルと外膜の完全性が低下することにより大腸菌(Escherichia coli)の病原性が減弱することを明らかにした。PbgAはカルジオリピン輸送体として機能しているとする以前の主張とは対照的に、我々の構造解析と生理学的研究によって、内膜のペリプラズム側の層に沿って存在するリピドA結合モチーフが見つかった。合成されたPbgA由来ペプチドは、in vitroで選択的にLPSに結合し、ポリミキシン耐性株を含む多様なグラム陰性細菌の増殖を阻害した。プロテオーム解析や、遺伝学的および薬理学的実験により、ペリプラズムでのPbgAによるLPSの直接感知が、細胞質にある重要な生合成酵素であるLpxCの安定性を調節することによって、リピドA生合成を調整しているというモデルが得られた。まとめると、PbgAがLPS生合成に必須の役割を持っているという予想外の結果が明らかになり、これは脂質の選択的認識の新規な構造学的基盤を示していて、今後の抗生物質創薬の機会につながるだろう。

