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気候科学:1900年以降の海水準上昇の原因

Nature 584, 7821 doi: 10.1038/s41586-020-2591-3

1900年以降の全球平均海水準の上昇速度は時間とともに変化してきたが、その要因はまだよく分かっていない。以前の評価では、氷の質量損失、陸域の貯水、海洋の熱膨張の寄与の合計と、観測された全球平均海水準の変化とを一致させることができなかった。これは、海水準の変化か、海水準の変化に対する寄与の一部が十分に絞り込まれていなかったことを示唆している。最近、観測データ、海水準の変化に寄与する主要な過程の理解、個々の寄与を見積もる方法が改善されたことで、新たな試みが可能になった。本論文では、独立したさまざまな観測結果とそれらに固有の不確かさを用いて、1900年以降の海水準を再構築する確率論的枠組みを提示する。この方法を用いたところ、海水準の変化に対する海洋の熱膨張、氷質量の喪失、陸域の貯水量の変化の寄与の合計は、全球規模と海盆規模の両方で、観測された海水準(検潮器の記録から復元したもの)の変化傾向および数十年規模変動と一致した。主に氷河からの氷質量損失は、1900年以降の海水準上昇に対して、熱膨張の2倍寄与してきたことが分かった。1940年代の全球海水準の高い上昇速度は、氷河とグリーンランド氷床からの質量損失によって説明された一方、1970年代の平均に満たない上昇速度は、人工貯水池による貯水量の急激な増加が主な原因だった。1970年代以降の海水準上昇の加速は、海洋の熱膨張とグリーンランドからの氷質量損失の増大の組み合わせに起因していた。今回の結果によって、観測された1900年以降の全球平均海水準上昇の規模とその根底にある過程に基づく見積もりとが一致し、これは、1900年以降の全球平均海水準の観測された変化を説明するのに、新たな過程を加える必要がないことを示唆している。

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