Article

エレクトロニクス:超伝導ダイオード効果の観測

Nature 584, 7821 doi: 10.1038/s41586-020-2590-4

空間反転対称性の欠如に伴う光学的や電気的な非線形効果によって、光子や電子などの量子粒子の方向選択的な伝播や輸送が可能になる。そうした非相反現象の最も一般的な例は、一方の方向の抵抗は低いがもう一方の方向の抵抗は高い、p–n接合を有する半導体ダイオードである。ダイオード効果は、整流器、交流–直流変換器、光検出器など数多くの電子部品の基礎となっているが、抵抗が有限であることに起因して必然的にエネルギー損失が生じる。従って、一方向にのみ抵抗がゼロになる超伝導ダイオードを実現することが、価値ある目標となる。今回我々は、反転中心を持たない人工超格子[Nb/V/Ta]nにおいて、磁気的に制御可能な超伝導ダイオードを実証する。直接電流測定によって超伝導–常伝導転移における非相反的な抵抗–電流曲線が明確に観測され、臨界電流の差は、空間反転対称性と時間反転対称性の破れに起因する磁気カイラル異方性に関係していると考えられた。こうした非相反臨界電流によって、[Nb/V/Ta]n超格子は、一方向にのみゼロ抵抗を示す。この超伝導ダイオード効果は、位相コヒーレントな方向選択的電荷輸送を可能にし、非散逸電子回路の構築への道を開くものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度