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システム生物学:変動する環境下での増殖と停滞の普遍的なトレードオフ

Nature 584, 7821 doi: 10.1038/s41586-020-2505-4

細胞の増殖速度は、細菌の適応度に非常に重要であり、細菌の資源配分を促し、例えば代謝や生合成に特化したタンパク質の発現レベルに影響を及ぼす。しかし、異なる環境条件下で何が最終的に増殖速度を決定するのかは、解明されていない。さらに、変化する環境への生理学的適応の速度といった他の要因も重要であることを示唆する証拠が増えている。細胞にとって共通する課題の1つは、こういった要因が独立して最適化できないことであり、1つの要因の最大限の最適化は、他の要因の適応度の低下につながることが多い。こうしたトレードオフの多くは、これまで実際には定性的な相関研究に基づいて仮説が立てられてきた。今回我々は、大腸菌(Escherichia coli)において、増殖培養をグルコースのような望ましい炭素源から酢酸のような発酵産物へと突然移したときに観察される、定常状態での増殖速度と生理学的適応性の間のトレードオフについて報告する。このような代謝の移行は腸内細菌ではありふれており、多くの場合それに伴って数時間の増殖の停滞が見られ、その後増殖が再開される。メタボローム解析からは、この長い停滞が、栄養源の強制的な変化によって中心的な炭素のフラックスが突如逆転した後に主要代謝物が枯渇した結果として起こることが明らかになった。連続的なフラックス制約モデルは、観察された増殖と適応性のトレードオフを説明するだけでなく、こうしたトレードオフの普遍的発生の、解糖と糖新生という逆向きの酵素の必要条件に基づく定量的な予測も可能にする。我々は、大腸菌でさまざまな栄養源の移行を実験的に行って、この予測の有効性を立証し、さらに枯草菌(Bacillus subtilis)や出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)などの呼吸-発酵代謝する他の微生物についても確認した。

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