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構造生物学:膜貫通ドメイン組み込み酵素である小胞体膜複合体の構造
Nature 584, 7821 doi: 10.1038/s41586-020-2389-3
小胞体膜複合体(EMC)は、Sec61トランスロコンと協働して、多くの複数回膜貫通型内在性膜タンパク質の膜貫通ヘリックス(TMH)を翻訳と同時にER膜へと挿入し、また、一部の尾部係留型タンパク質のTMH膜挿入にも関わっている。EMCがこうした注目すべき機能を完遂する仕組みは分かっていない。本論文では、真核生物EMCについて、我々が知る限りで初めてのクライオ電子顕微鏡構造を報告する。出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)EMCは8つのサブユニット(Emc1–6、Emc7とEmc10)を含み、大きな内腔領域とそれより小さい細胞質ゾル領域を持っていて、Emc4とEmc5、Emc6に加えてEmc1とEmc3の膜貫通ドメインによって形成された膜貫通領域を持つことが分かった。我々は、Emc3を中心として展開する5本のTMHからなる折りたたみ構造を明らかにした。これは原核生物の組み込み酵素YidCと似ていて、ほぼ親水性のクライアントタンパク質用ポケットを囲っている。Emc4の膜貫通ドメインは、EMCの主要な膜貫通領域から外側に傾斜していて、部分的に可動性である。変異導入研究により、Emc4の柔軟性とクライアントタンパク質ポケットの親水性はEMCの機能に必要であることが判明した。今回のEMCの構造から、原核生物の組み込み酵素との間の重要な進化的保存が明らかになり、真核生物TMHの挿入が同様の機構を持つことが示唆され、また多くの真核生物内在性膜タンパク質と尾部係留型タンパク質の膜挿入について詳しく理解するための基盤が得られた。

