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熱力学:コロイド系の指数関数的に早い冷却
Nature 584, 7819 doi: 10.1038/s41586-020-2560-x
冷却中の物体の温度は、その物体が熱平衡へ向かって緩和するにつれて下がるため、熱い物体は温かい物体よりも冷えるのに時間がかかると直観的に想定される。しかし約2300年前には、アリストテレスが「お湯を早く冷ますには、まず日なたに置く」ということに気付いていた。1960年代、この直観に反する現象は「お湯は冷水よりも早く凍ることがある」という表現で再発見され、ムペンバ効果と呼ばれるようになった。以来、この効果は、多くの実験的研究と論争の対象となってきた。多くの具体的な機構が提案されてきたが、ムペンバ効果の根本的な原因に関して全体的な合意は得られていない。今回我々は、制御された環境でのムペンバ効果、すなわち熱浴の役割を果たす水の中に沈められたコロイド系の急冷を実証する。我々の結果は再現性があり、最近提案された理論的枠組みに基づく計算と定量的に一致する。パラメーターを注意深く選ぶことで、典型的なパラメーターを使って観測された冷却よりも指数関数的に早い冷却が観測され、これは最近予測された強いムペンバ効果と一致する。今回の実験は、熱の除去と熱平衡への緩和を加速するのに必要な一般的な条件を概説するものであり、ムペンバ効果が、水が凍結して氷になるという、水の多くの異常な特徴の1つの仕組みに関する単なる科学的好奇心の対象に限らず、技術的に幅広く重要な広範囲の異常な緩和現象の典型であるという考えを支持している。

