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植物生物学:イネの茎の伸長におけるジベレリン酸応答の拮抗的調節
Nature 584, 7819 doi: 10.1038/s41586-020-2501-8
植物のサイズは、主として茎の成長によって決まる。茎の伸長はジベレリン酸によって促進される。今回我々は、イネの茎を構成する節間の伸長が、ジベレリン酸と協調して働く「アクセル因子」と「ブレーキ因子」によって拮抗的に調節されていることを明らかにする。我々がACCELERATOR OF INTERNODE ELONGATION1(ACE1)と名付けた遺伝子は、機能未知のタンパク質をコードしており、この遺伝子の発現が節間の介在分裂組織の細胞に細胞分裂能力を与え、ジベレリン酸存在下では節間伸長につながることが分かった。一方、ジンクフィンガー転写因子をコードするDECELERATOR OF INTERNODE ELONGATION1(DEC1)遺伝子の発現上昇は節間伸長を抑制するのに対して、DEC1の発現低下は節間伸長を促進する。また、このACE1とDEC1を介した節間伸長機構は、イネ科植物でよく保存されていることも明らかになった。さらに遺伝的多様性の解析によって、ACE1とDEC1の変異は、長い年月の中で栽培品種のイネの中から倒伏への耐性が向上した草丈の低いものが選抜されたり、野生種のイネの中から水深の深い環境での成長に適応するために草丈の高いものが選択されたりするのに寄与してきたことが示唆された。これら拮抗的に働く調節因子の特定は、生合成やジベレリン酸シグナル伝達に加え、節間伸長や環境への適応度を調節するもう1つの機構としてのジベレリン酸応答に関する理解をより深めている。

