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遺伝子調節:Pax5によるWapl抑制はIghループ押し出しによってV遺伝子組換えを促進する

Nature 584, 7819 doi: 10.1038/s41586-020-2454-y

核で起こるV(D)J組換えなどの過程は、クロマチンループからなる区画やトポロジカルドメイン(TAD)などの、染色体の複数レベルでの三次元的組織化によって統制されている。TADはクロマチンループ押し出しによって形成され、リング状のコヒーシン複合体のループ押し出し機能に依存している。コヒーシン解離因子Waplは、これとは逆にループ拡大を制限する。病原体に対する体液性免疫をもたらすような多様な抗体レパートリーの生成には、V(D)J組換えに全てのV遺伝子が参加する必要があり、これは2.8 Mbの長さの免疫グロブリン重鎖(Igh)座位のPax5による収縮に依存している。しかし、プロB細胞でPax5がIghの収縮を制御する仕組みは分かっていない。今回我々は、座位収縮がIgh座位全体にわたるループ押し出しによって引き起こされることを明らかにする。Wapl発現は、プロB細胞およびプレB細胞特異的にPax5によって抑制されていて、これによってクロマチン上にコヒーシンがとどまる時間が長くなり、ループ押し出しの拡大が促進される。Pax5は、単一のPax5結合部位を介してポリコーム抑制複合体2の誘導によりWaplプロモーターに二価クロマチン状態を誘導することによって、Waplの転写抑制を仲介する。Wapl発現の低下は染色体構造の全体的な変化を引き起こし、これは、プロB細胞で全てのV遺伝子が組換えを起こせるようになるには、ゲノム全体の構造変化が必要であることを示している。

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