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化学:光酵素的エナンチオ選択的分子間ラジカルヒドロアルキル化

Nature 584, 7819 doi: 10.1038/s41586-020-2406-6

酵素は不斉合成用にますます盛んに研究されているが、その応用は通常、天然酵素に利用可能な反応によって制限されている。最近、光触媒反応への関心によって、既知酵素の新しい反応性の発見に拍車が掛かっている。しかしこれまでのところ、光誘起酵素触媒反応は2分子のクロスカップリングには用いられていない。例えば、重要なγ-キラルカルボニル化合物をもたらす、可視光誘起ラジカルヒドロアルキル化を通したアルケンとα-ハロカルボニル化合物の分子間カップリングは、まだ酵素によっては実現されていない。主な課題は、酵素の光反応性がもともと低いことと、遠隔位プロキラルラジカル中間体の立体化学制御の達成が難しいことである。今回我々は、容易に入手可能なα-ハロカルボニル化合物を反応物として用いた、「エン」レダクターゼによって触媒される、自然には起こらない末端アルケンの可視光誘起分子間ラジカルヒドロアルキル化について報告する。この方法によって、化学触媒反応を用いた合成が困難なγ-立体中心を持つさまざまなカルボニル化合物を、優れた収率とエナンチオ選択性(最高で収率99%、鏡像体過剰率99%)で効率よく合成する手法が得られる。反応機構研究によって、基質(α-ハロカルボニル化合物)と「エン」レダクターゼの複合体の形成が、このエナンチオ選択的光誘起ラジカル反応を引き起こすことが示唆された。今回の研究は、光触媒反応と酵素触媒反応を融合させることによって、合成的に有用な生体触媒的不斉変換の反応性のレパートリーをさらに広げるものである。

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