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構造生物学:脂質膜中のD2ドーパミン受容体–Gタンパク質複合体の構造

Nature 584, 7819 doi: 10.1038/s41586-020-2379-5

D2ドーパミン受容体(DRD2)はパーキンソン病の治療標的であり、抗精神病薬の標的でもある。DRD2が内在性の神経伝達物質であるドーパミンや合成アゴニスト(ブロモクリプチンなど)によって活性化されると、Giの刺激とアデニル酸シクラーゼの阻害が引き起こされる。今回我々は、クライオ電子顕微鏡を使って、アゴニストが結合して活性化されたDRD2–Gi複合体の、リン脂質膜中で再構築された構造を解明した。DRD2の細胞外リガンド結合部位は、アゴニストの結合に応じて変形し、細胞外ループ2、膜貫通ドメイン5(TM5)、TM6およびTM7のコンホメーションに変化が起こり、これが細胞内に伝わってGi結合部位が開く。このDRD2–Gi構造は、リン脂質二重層に埋め込まれたGタンパク質共役受容体–Gタンパク質複合体の、我々の知る限りで初めての実験モデルであり、これまでの界面活性剤が結合した構造で見られた相互作用を検証する基準となる。またこの構造から、膜に埋め込まれた複合体に特有の相互作用も明らかになった。その中には、二重層内層中へのヘリックス8の埋没や、膜に接する領域に整列した複数のリシンおよびアルギニンの側鎖、膜内のGタンパク質の脂質への係留などが含まれる。今回の活性化DRD2のモデルから、多数のヒト中枢神経系疾患の治療に使えるサブタイプ選択的なDRD2リガンドの設計に関する有用な情報が得られるだろう。

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