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環境科学:耕作地における岩石風化の促進を介した大規模なCO2除去の可能性
Nature 583, 7815 doi: 10.1038/s41586-020-2448-9
ケイ酸塩岩石の風化の促進(ERW)は、耕作地に展開でき、人為起源の気候変動の緩和に現在必要とされる大気からの二酸化炭素(CO2)の除去(CDR)に使用できる可能性がある。さらにERWは、食料と土壌の安全保障の向上や、海洋酸性化の低減にも利益をもたらす可能性がある。今回我々は、統合パフォーマンスモデリング法を用いて2050年に向けた技術経済的な初期評価を行い、CDRの潜在能力とコストが、従来通りのエネルギー政策と将来の温暖化を2°Cに抑える目標に整合的な政策に関して、各国間でどのように異なるかを定量化した。その結果、中国、インド、米国、ブラジルは、年間0.5〜2ギガトンCO2という全球の平均CDR目標を達成するのに役立つ大きな力を持っており、その抽出コストはCO2 1トン当たり約80〜180米ドルであることが分かった。こうした目標とコストは、将来のエネルギー政策には関係なくロバストである。既存の耕作地内で展開すれば、農業と気候政策の足並みをそろえる機会が得られる。しかしその成功は、政治的惰性と社会的惰性を克服して規制とインセンティブの枠組みを開発することに懸かっている。我々は、新たな採掘の必要性を除去するための過剰な工業用ケイ酸塩材料(玄武岩鉱山の表土、コンクリート、鉄鋼スラグ)の可能性や、土壌の風化速度と風化産物の陸から海への輸送の不確かさなど、ERWの展開の課題と機会について検討する。

