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生化学:生命の各界におけるプロテオームの全体像

Nature 582, 7813 doi: 10.1038/s41586-020-2402-x

生物の全てのドメインで、タンパク質は圧倒的に多数の機能を果たしているが、タンパク質の大規模な調査研究は、技術的な理由のためにゲノム研究よりずっと遅れている。真核生物の実質的に完全といえるプロテオームが初めて報告されて以来、質量分析に基づくプロテオミクスの進歩によって、包括性のより高いヒトプロテオームの確認と定量が次第に可能となってきている。しかし、異なる生物種にまたがった比較がほとんど行われていない点が、ゲノミクス関連の大規模研究計画とは際立った対照をなしている。今回我々は、進歩したプロテオミクス・ワークフロー(ペプチドの分離段階に非常に再現性の高い微細構造クロマトグラフィーシステムを用いる)を使って、分類学的に多様な100の生物を綿密に調べた。そして200万種のペプチドと34万種のタンパク質を標準化された方法で厳密に同定することにより、しっかりした実験的証拠を示して科学界に認知されたタンパク質の数を、これまでの2倍とした。これらのデータはまた、塩基配列ベースの機械学習のための大規模な事例研究にもなる。それは、バクテロイデス属細菌Bacteroides uniformis由来のペプチドの予測された性質を実験的に確認することで実証された。これらの結果は、生物の機能の組み立てを、進化の全範囲にわたって比較することを可能にする。タンパク質の恒常性維持と折りたたみのためだけに働くタンパク質は、生物の全ての界にわたって全プロテオーム中で非常に大きな割合を占めており、このことはあらゆる種類の生命にとって、タンパク質の構造維持が生物学的な重要問題であることを明確に示している。これと同様に、エネルギー資源の供給(その経路は光合成から鉄–硫黄代謝、糖代謝に至るまで幅広い)に関係するタンパク質も、あらゆる生物で一般的に大きな割合を占めている。しかし、タンパク質とプロテオームは概して、生物間で非常に多様性が高く、こうした問題についてはwww.proteomesoflife.orgで探索と機能比較を容易に行うことができる。

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