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微生物学:腸マイクロバイオームによる胆汁酸の脱ヒドロキシ化の代謝経路

Nature 582, 7813 doi: 10.1038/s41586-020-2396-4

腸内微生物相では何百もの分子が合成されており、その多くが宿主の生理機能に影響を及ぼしている。最も豊富な代謝物として二次胆汁酸であるデオキシコール酸(DCA)やリトコール酸(LCA)があり、たまると濃度は約500 μMになり、ディフィシル菌(Clostridium difficile)の成長を阻害したり、肝細胞がんを促進したり、Gタンパク質共役受容体TGR5を介して宿主の代謝を変化させたりすることが知られている。さらに広範には、DCA、LCAとそれらの誘導体は再循環する胆汁酸プールの主な構成成分であり、このプールのサイズと組成は、原発性胆汁性胆管炎や非アルコール性脂肪性肝炎の治療の標的である。DCAやLCAが宿主の生理機能に影響することは明らかなのだが、その生合成遺伝子についての知識が不十分なことと、本来の産生者である微生物を変化させる遺伝的ツールがないことが原因で、宿主の二次胆汁酸レベルを調節しようとしても限界がある。今回我々は、DCAおよびLCAへの代謝経路を、還元反応部分における各段階を担う酵素を同定し性質を明らかにすることによって完全に解明し、この経路では、ステロイド核のA–B環を一時的に、Fe–Sフラビン酵素による2回の還元段階における電子受容体として利用するという戦略がとられていることを明らかにした。我々はさらに、in vitroでの嫌気的再構成を行って、コール酸からDCAへの8段階の変換には、6種類の酵素が必要かつ十分であることを確認した。次に、この経路をスポロゲネス菌(Clostridium sporogenes)に導入してDCAとLCAを産生しない共生細菌にそれらの産生能を付与し、マイクロバイオーム由来の経路を、異種性に発現させて制御できることを実証した。これらのデータから、胆汁酸プールの2つの主要成分に至る完全な経路が確立できた。

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