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細胞生物学:環境のトポグラフィーを利用した細胞の移動運動
Nature 582, 7813 doi: 10.1038/s41586-020-2283-z
真核細胞は、アクチン細胞骨格による細胞内の力を環境と共役させることによって移動する。力の共役は、通常は膜貫通型の接着受容体(特にインテグリンファミリーの受容体)を介して行われるが、白血球などのアメーバ様細胞は、接着力は非常に低いにもかかわらず、極めて高速で移動できる。今回我々は、白血球が低接着状態で移動できるだけでなく、膜貫通型受容体による力の共役が全くなくても力を伝達できることを明らかにする。白血球は、三次元の環境中に閉じ込められているときには、基質のトポグラフィーの特性を使って前進する。その際、アクチン細胞骨格の逆行性の流動が基質のテクスチャーをたどって、細胞体の前進に十分な逆行性ずり応力を生み出す。興味深いことに、接着依存的な移動と接着非依存的な移動は相互に排他的ではなく、逆行性のアクチン流動を環境と共役させる同一の原理が違った形で現れたものであり、従って、互換性があり同時に働くことも可能である。接着なしに行われる移動は環境の化学組成に依存しないため、細胞は移動行動において完全に自律的な状態となる。

