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ナノスケール材料:並外れた靭性を持つ階層構造のダイヤモンド複合材料

Nature 582, 7812 doi: 10.1038/s41586-020-2361-2

硬度と靭性(破壊に対する抵抗)の間にはよく知られたトレードオフがあり、両方の特性を同時に向上させることは、特にダイヤモンドでは困難である。ダイヤモンドの硬度は、ナノ構造化戦略を通して高めることができ、中でも高密度ナノスケール双晶(対称性によって関連付けられる結晶領域)の形成は、ダイヤモンドの靭性も向上させる。ダイヤモンド以外の材料では他にも、生物に着想を得た積層複合材料による靭性向上、変態強靭化、二相強靭化など、複数の有望な靭性向上方法があるが、ダイヤモンドではそうした方法はほとんど研究されていない。今回我々は、コヒーレント境界を有するダイヤモンド多形(積層配列が異なる)、入り混ざったナノ双晶、かみ合ったナノ結晶粒によって階層的に構築されたダイヤモンド複合材料の構造特性評価について報告する。この複合材料の構成によって、硬度を犠牲にせずに、ナノ双晶形成単独の場合よりも靭性が向上する。片側切欠き梁試験で、合成ダイヤモンドの最大5倍の靭性が得られた。これは、マグネシウム合金の靭性よりも高い。破壊が生じると、亀裂は3C(立方晶)多形のダイヤモンドナノ双晶を通って{111}面に沿いジグザグに伝播する。亀裂が非3C多形領域にぶつかると、亀裂の伝播は拡散的になって破壊部が波状となり、破壊面近傍では局所的に3Cダイヤモンドへの転移が起こる。いずれの過程も、ひずみエネルギーは散逸するため、靭性が向上する。今回の研究は、超硬材料やエンジニアリングセラミックスの作製に有用であると立証される可能性がある。硬度と靭性のトレードオフは、硬化と強靭化の相乗効果を示す構造的構成を用いることで最終的には克服される可能性がある。

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