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分子生物学:減数分裂時にマウスの偽常染色体領域でDNA切断形成を確実に起こさせる仕組み
Nature 582, 7812 doi: 10.1038/s41586-020-2327-4
ほとんどの真獣類哺乳類の雄では、性染色体の共通部分は1つの小さな相同領域だけで、これは偽常染色体領域(PAR)と呼ばれている。減数分裂の際に分離が正しく行われるためには、この領域で二本鎖切断(DSB)形成、対合と交叉が起こらなければならない。細胞が、組換えがPARで確実に起こるようにしている仕組みは不明である。今回我々は、雄マウスゲノム中のPARの動的な超微細構造を明らかにし、PARをDSB形成が最も高頻度で起こる部位にしているシス作動性およびトランス作動性の制御因子を突き止めた。二本鎖切断形成に先立って、多数のDSB促進因子がPARに非常に密に集積し、その染色体軸が伸びて姉妹染色分体が分離する。これらの過程には、ヘテロクロマチンのmo-2ミニサテライト配列が関係しており、タンパク質のMEI4とANKRD31が必要だが、軸構造の構成成分であるREC8とHORMAD1は必要ではない。我々は、PARの反復DNA配列が、組換えに不可欠な独特なクロマチン構造および高次構造を作らせると考える。染色体の対合が引き金となって、引き伸ばされたPAR構造は崩壊する。そして注目すべきことに、単に染色体対合を遅らせたり妨げたりするだけで、卵母細胞のDSBレベルを精母細胞PARのDSBと似たレベルになるように再プログラム化できた。つまり、PARの性的二形性を示す挙動は、PAR構造の成熟、DSBの形成、染色体対合の完了という3つの過程の競合に性別によって速度論的な違いがあることが一因である。これらの知見から、減数分裂の際の性染色体の組換えの機構的枠組みが明らかになった。

