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構造生物学:TASKチャネルの下方にあるXゲートは阻害剤を前庭中に閉じ込める

Nature 582, 7812 doi: 10.1038/s41586-020-2250-8

TASK(TWIK-related acid-sensitive potassium)チャネルは、2ポアドメインカリウム(K2P)チャネルファミリーの一員で、ニューロンや心筋細胞、血管平滑筋細胞で見いだされ、心拍数や肺動脈収縮、睡眠/覚醒周期、揮発性麻酔薬への応答などに関わっている。K2Pチャネルは静止膜電位を調節していて、多くの生理学的刺激により制御されている背景K+電流を生じさせる。TASKチャネルは、他のK2Pチャネルとは違って、高い親和性と異例な選択性で阻害剤と結合でき、薬剤洗い出し率は非常に低い。そのため、このチャネルは薬剤標的としても関心を集めており、TASK-1阻害剤は現在、閉塞性睡眠時無呼吸と心房性細動の治療薬として臨床試験が行われている。一般的に、カリウムチャネルは膜内に前庭構造があり、選択性フィルターがその上方に位置し、4本の平行するヘリックスが下方にゲートを形成している。しかし、これまでに調べられたK2Pチャネルは全てが下方のゲートを欠いている。今回我々は、TASK-1のX線結晶構造を示し、この構造に下方のゲートが含まれていることを明らかにする。我々が「Xゲート」と命名したこのゲートは前庭の入口にあって、交差する2つのC末端M4膜貫通ヘリックスの相互作用により作り出されている。この構造は、揮発性麻酔薬や神経伝達物質、Gタンパク質共役受容体への反応に不可欠の6個の残基(243VLRFMT248)により形成されている。Xゲートとそれを囲む領域中に生じた変異は、チャネルの開口確率と麻酔薬によるチャネル活性化の両方に顕著な影響を及ぼす。2種類の高親和性阻害剤を結合したTASK-1の構造から、どちらの化合物も選択性フィルターの下に結合し、Xゲートにより前庭に閉じ込められていることが明らかになった。この結果は、こうした阻害剤の洗い出し率が異例に低いことの説明となる。TASKチャネル中にXゲートが存在することは、チャネルの生理学的および薬理学的挙動の多くの側面を説明するものであり、心臓疾患や肺疾患、睡眠障害の治療のためのTASK修飾薬の将来の開発や最適化に役立つと考えられる。

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