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免疫遺伝学:制御性T細胞のCRISPRスクリーニングから明らかになったFoxp3のモジュレーター

Nature 582, 7812 doi: 10.1038/s41586-020-2246-4

制御性T(Treg)細胞は、免疫応答の制御や恒常性の維持に必要であるが、抗腫瘍免疫ににとっては大きな障壁となる。逆に、マスター転写因子Foxp3の喪失と炎症特性の獲得に特徴付けられるTreg細胞の不安定性は、自己免疫の促進および/あるいは、より効果的な腫瘍免疫の促進を可能にする。Foxp3を調節する経路の包括的な理解は、自己免疫疾患やがんに対するより効果的なTreg療法につながる可能性がある。機能的な新しい遺伝学的ツールが利用可能になったことで、Foxp3発現を調節する遺伝子調節プログラムを系統的に解明できる可能性が生じた。今回我々は、マウスの初代Treg細胞の表現型のための、CRISPRベースのプール化スクリーニングプラットフォームを開発し、この技術を用いて約500の核内因子を標的とする機能喪失スクリーニングを行い、Foxp3の発現を促進あるいは阻害する遺伝子調節プログラムの解明を試みた。その結果、ユビキチン特異的ペプチダーゼ22(Usp22)やリングフィンガータンパク質20(Rnf20)など、Foxp3発現のいくつかの調節因子が特定された。クロマチンを修飾するSAGA複合体の脱ユビキチン化モジュールの構成要素であるUsp22は、Foxp3発現を安定化する正の調節因子であることが分かった。一方、このスクリーニングから、E3ユビキチンリガーゼのRnf20はFoxp3の負の調節因子として機能し得ることが示唆された。マウスにおいてTreg細胞特異的にUsp22を除去すると、Foxp3タンパク質レベルが低下し、Treg細胞の抑制機能の異常が引き起こされて、自己免疫の自然発症につながったが、複数のがんモデルでは腫瘍増殖に対して保護的に働いた。Usp22欠損Treg細胞におけるFoxp3の不安定化は、Rnf20の除去によって救済されたことから、Treg細胞のユビキチンによる相互調節スイッチの存在が明らかになった。これらの結果から、Foxp3のこれまでに知られていなかった調節因子が明らかになり、また、がんや自己免疫疾患に対するTreg免疫療法の新しい標的の発見に広く適用できるスクリーニング方法が実証された。

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