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原子物理学:地球周回軌道上の研究室におけるボース・アインシュタイン凝縮体の観測

Nature 582, 7811 doi: 10.1038/s41586-020-2346-1

量子力学は、小さな質量と運動量がおのずと波動と粒子の二重性を示す微視的世界を支配している。量子挙動を巨視的スケールに拡大できることは、原子ガスを冷却して捕捉する技術の主要な強みであり、この技術では極低温を通して低運動量を作り出すことができる。この分野の進歩によって、原子系を極めて正確に制御できるようになったため、個々の原子を考える場合には無視できることの多い重力が、大きな障害になってきている。特に、捕捉場が弱いほどより低温に達し得ると考えられるにもかかわらず、原子トラップの束縛が弱過ぎると、重力によって原子が抜け出してしまう。さらに、低温原子を用いた慣性センサーの感度は、トラップから解放された後の原子の自由落下時間を長くできればより高くできる可能性がある。惑星軌道、すなわち永続的な自由落下条件では、低温原子の研究を、そうした地上での限界を超えて改善できる。今回我々は、地球を周回する実験室Cold Atom Labにおいてルビジウムのボース・アインシュタイン凝縮体(BEC)を生成したことについて報告する。弱い捕捉ポテンシャルにおいて自由膨張時間が1秒を超えるサブナノケルビンのBECが観測され、これによって、微小重力環境が低温原子実験にもたらす利点が初めて実証されるとともに、この施設の運用の成功が確認された。日常的にBECを生成して継続的に運用すれば、微小重力、原子レーザー源、少数多体物理学、原子波干渉法向けの先駆的技術に特有の、トラップトポロジーの長期的な研究が可能になる。

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