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物性物理学:魔法角ねじれ2層グラフェンにおける電子遷移のカスケード
Nature 582, 7811 doi: 10.1038/s41586-020-2339-0
魔法角ねじれ2層グラフェンは、相関絶縁体、超伝導体、トポロジカル相など、さまざまな電子状態を示す。こうした相の原因となる微視的機構を理解するには、電子–電子相互作用と量子縮退(後者はスピン自由度とバレー自由度に起因する)との相互影響を確認する必要がある。最近の分光測定では、部分充填されたフラット電子バンドにおいて強い電子–電子相関の特徴が観測されており、輸送実験では、モアレ単位格子当たり整数個の電子に相当する充填率においてランダウ準位縮退の変化が示されている。しかし、相互作用効果と系の縮退との相互影響は、現在のところ明らかになっていない。今回我々は、高分解能走査型トンネル顕微鏡法を用いて、魔法角ねじれ2層グラフェンの分光学的特性に、電子充填率に応じた遷移のカスケードを確認したことを報告する。我々は、モアレフラットバンドの各整数充填率において、化学ポテンシャルの明確な変化と低エネルギー励起の再配列を見いだした。これらの分光学的特徴は、縮退フラットバンドをハバードサブバンドに分裂させるクーロン相互作用の直接的結果である。我々は、こうした相互作用(その強さは実験的に抽出できる)が垂直磁場の存在に対して驚くほど敏感で、この垂直磁場によって分光学的遷移が大きく変化することを見いだした。我々が今回報告した遷移のカスケードは、魔法角ねじれ2層グラフェンにおいて低温でさまざまな絶縁相や超伝導基底状態相を生み出す相関高温母相を特徴付けるものである。

