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細胞生物学:ゲノムの保護とエピジェネティックな遺伝でのポリ(UG)尾部を持つRNAの働き

Nature 582, 7811 doi: 10.1038/s41586-020-2323-8

転位性遺伝因子は全ての生物でゲノムの完全性を脅かしている。線虫の一種であるCaenorhabditis elegansのRDE-3(別名MUT-2)はリボヌクレオチジルトランスフェラーゼで、トランスポゾンのサイレンシングとRNA干渉に必要とされる。RDE-3は、異種の発現系中でRNAに結合させると、その3′末端に鋳型なしでウリジン(U)とグアノシン(G)が交互に並ぶ長いリボヌクレオチド(ポリ(UG)尾部、あるいはpUG尾部と呼ばれる)を付加することができる。今回我々は、C. elegansの内部という本来の環境中では、RDE-3はRNA干渉の標的だけでなく、トランスポゾンRNAにもpUG尾部を付加することを明らかにする。3′末端にUおよびGヌクレオチドが16個以上完璧に交互に並んだpUG尾部を付加されたRNA断片は、遺伝子サイレンシング因子となる。pUG尾部は、RNA依存性RNAポリメラーゼを動員することで遺伝子サイレンシングを引き起こし、このポリメラーゼはpUG尾部を持つRNA(pUG RNA)を鋳型にして短鎖干渉RNA(siRNA)を合成する。これらの結果が示すように、C. elegansの生殖細胞系列では、二本鎖RNAが誘導して起こる世代を超えたエピジェネティックな遺伝の基盤となるのは、pUG RNAを鋳型とするsiRNA合成とsiRNAが誘導するpUG RNA生合成のサイクルである。このpUG RNA–siRNAというサイレンシング・ループが、望ましくない遺伝因子や寄生性遺伝因子の発現を防ぐために親が子孫に植え付ける予防対策となっていると、我々は考える。

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