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システム生物学:予防接種の賛成派と反対派のインターネット上での争い

Nature 582, 7811 doi: 10.1038/s41586-020-2281-1

科学の専門知識に対する不信は危険である。例えば、COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2について今後開発されるであろうワクチン接種への反対は、2019年に麻疹で起こったように、アウトブレイク(集団発生)を拡大させる恐れがある。インターネット上では、専門家の意見の拒絶だけでなく、民間療法やうそが広く共有されている。こうした不信がシステムレベルでどのように拡大するかについては理解されていない。今回我々は、世界のフェイスブックユーザー約30億人の集団から生じた、ワクチンを巡る論争をマッピングした。得られたマップの中心部からは、約1億人が関与する、前例のない複雑さを有する多面的景観が明らかになり、これらの人々はさまざまな都市、国家、大陸、言語にわたって相互連結した極めて動的な複数のクラスターに分かれていた。予防接種反対派のクラスターは、全体的なサイズとしては劣るものの、主要なオンラインネットワークにおいて賛成か反対かを決めかねている人々のクラスターと高度に絡み合っているのに対し、予防接種賛成派のクラスターは主要な議論の場から離れていた。我々の理論的枠組みは、予防接種反対派の最近の爆発的拡大を再現しており、反対派の意見が今後10年以内に主流になると予測している。この枠組みによって得られた洞察は、否定的な意見への移行を食い止めるための新たな政策や取り組みに情報を与える可能性がある。今回の結果は、健康を巡る論争の問題において賛成か反対かを決めかねている人々に関する従来の概念に異議を唱えるものであり、気候変動など他の論争問題についても手掛かりを与えるとともに、多種生態系でネットワークのクラスター動態が果たす重要な役割を明らかにしている。

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