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細胞生物学:カルシニューリン–Hoxb13軸が哺乳類の心筋細胞の増殖様式を調節する

Nature 582, 7811 doi: 10.1038/s41586-020-2228-6

ヒトにおいて心不全へと進行する大きな要因の1つとして、成体の心臓が損傷後に自己修復できないことが挙げられる。我々は最近、出生後初期の哺乳類の心臓は損傷後でも既存の心筋細胞の増殖によって再生が可能であること、そしてTALE(three amino acid loop extension)ファミリーホメオドメイン転写因子のMeis1が、出生直後に心筋細胞の核へ移行して出生後の細胞周期停止を調節することを明らかにした。本論文では、Hoxb13が出生後の心筋細胞でMeis1のコファクターとして働くことを報告する。Hoxb13を心筋細胞特異的に欠失させると、出生後に心筋細胞が増殖できる期間が長くなり、成体の心臓では心筋細胞の細胞周期が再活性化された。さらに、Meis1–Hoxb13を二重ノックアウトした成体の心臓では、広範な心筋細胞の有糸分裂、サルコメアの分解、心筋梗塞後の左心室の収縮機能改善が見られることが、心エコー検査や磁気共鳴画像化法によって確認された。ChIP-seq法によって、Meis1とHoxb13が協調的に働いて、心筋細胞の成熟と細胞周期を調節していることが実証された。我々はまた、カルシウムによって活性化されるタンパク質ホスファターゼであるカルシニューリンが、Hoxb13の204番目のセリン残基を脱リン酸化して、Hoxb13の核移行と細胞周期停止を引き起こすことを示す。これらの結果から、Meis1とHoxb13が協調的に働いて、心筋細胞の成熟と増殖を調節することが実証され、心筋細胞の過形成性増殖と肥大性増殖とを結び付ける機序についての手掛かりが得られた。

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