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光物理学:自由電子とフォトニック共振器のコヒーレント相互作用

Nature 582, 7810 doi: 10.1038/s41586-020-2321-x

超高速自由電子と光の相互作用の研究の進歩によって、以前は知られていなかった種類の量子物質である量子自由電子波束が取り入れられるようになった。これまで、共振器に閉じ込められた光と量子物質との相互作用の研究では、原子、量子ドット、量子回路などの束縛電子系に重点が置かれてきたが、こうした系は固定されたエネルギー状態、スペクトル範囲、選択則によって大きく制限される。これに対し、量子自由電子波束にはそうした制限はないが、今のところ、フォトニック共振器が量子自由電子波束に及ぼす影響を示した実験例はない。今回我々は、自由電子とフォトニック共振器の相互作用を多次元でナノスケール撮像し分光計測するためのプラットフォームを開発した。我々は、共振器光子の寿命をコヒーレントな自由電子プローブによって直接測定し、電子–光子相互作用のこれまでの実験と比較して、相互作用強度が1桁以上増強されたことを観測した。今回の自由電子プローブからは、相互作用の時空間的情報やエネルギー–運動量の情報が明らかになった。電子の量子性は、電子スペクトルのラビ振動の空間的マッピングによって確認された。自由電子と共振器光子の相互作用は、ソフトマターなどのビームに敏感な材料の低線量超高速電子顕微鏡法観察を可能にし得る。また、そうした相互作用は、自由電子を用いた量子情報処理や量子センシングへの道を開く可能性もある。今後の研究において、自由電子の強結合、光子量子状態の合成、共振器エレクトロオプトメカニクスなどの量子非線形現象が実現される可能性がある。

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