Article

細胞生物学:コンバージェントな遺伝子が出芽酵母のペリセントロメアを形作る

Nature 582, 7810 doi: 10.1038/s41586-020-2244-6

ゲノムの三次元構造は、ゲノムの維持、発現、伝達を支配している。コヒーシンタンパク質複合体はゲノム中の離れた座位をトポロジー的に結び付けることによってゲノムを組織化し、セントロメアを囲む特殊な染色体領域(ペリセントロメアと呼ばれる)に集中的に存在している。今回我々は、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)ペリセントロメアの三次元構造を報告し、ゲノムの構造と機能との関連を立証する。コンバージェント方向に転写される遺伝子がペリセントロメアの境界を示し、コアセントロメアと共に、コヒーシンを配置して、その構造と機能を決定することが分かった。セントロメアがコヒーシンを取り付け、ペリセントロメアの境界に位置するコンバージェント遺伝子がコヒーシンをトラップする。ペリセントロメアの両側はループ状のコンホメーションを形成していて、その基部となるのが境界のコンバージェント遺伝子である。微小管が付着すると一方のペリセントロメアループが伸びるが、そのサイズは境界のコンバージェント遺伝子によって制限される。境界の遺伝子の方向を変えてタンデムに並べると、コヒーシンの位置が変わり、ペリセントロメアが拡大して、有糸分裂の際に染色体の二方向性結合がうまく起こらなくなる。つまり、転写単位の直線状の並び方が、コヒーシンの選択的な配置と合わさって、ペリセントロメアに染色体分離に適した構造をとらせる。これらの知見から、動原体が埋め込まれた染色体領域の構造と、微小管の付着によって引き起こされる再構築とが明らかになった。また、特定の染色体領域の三次元ゲノム構造と細胞の機能との間に、直接的な因果関係があることが明確になった。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度