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天文学:位置決定された高速電波バーストからの宇宙のバリオン量の測定

Nature 581, 7809 doi: 10.1038/s41586-020-2300-2

宇宙のバリオン量の4分の3以上は検出の難しい非常に拡散した状態で存在し、銀河や銀河団で直接観測されるのはごくわずかである。近傍宇宙の調査では、「見えない」バリオンの観測に吸収線分光法が用いられてきたが、こうした測定は、大きくて不確かな補正に依存しており、宇宙の体積の大半や、おそらく宇宙の質量の大半に対して感度が低い。特に、クエーサーの分光法は、原子状態で存在する微量の水素か、銀河周辺の高密度領域の強く電離した濃集ガスのいずれかに対してのみ感度が高い。こうした見えないバリオンを観測する手法は他にもあるが、それらにも制約がある。例えば、スニヤエフ・ゼルドビッチ効果による解析はフィラメント状構造内のガスから証拠を得るもので、X線放射の研究は銀河団近傍のガスに対して感度が最も高い。本論文では、位置決定された高速電波バーストのサンプルの分散を用いた、宇宙のバリオン量の測定結果について報告する。この手法は、それぞれの視線方向に沿った電子柱密度を決定するもので、全ての電離したバリオンに対応している。我々は、これまでに報告されている位置が秒角で決定された高速電波バーストのサンプルに、赤方偏移がそれぞれ0.291、0.118、0.378、0.522と測定された母銀河での4つの新たな位置決定結果を加えた。これによって、視線方向に沿った分散の変化や母銀河の環境内での分散の変化を説明するのに十分なサイズのサンプルが得られ、我々はこれを用いて、Ωb = 0.051+0.021−0.025h−170(信頼水準95%;h70 = H0/(70 km s−1 Mpc−1)、H0はハッブル定数)という宇宙のバリオン密度を導出した。この独立した測定結果は、宇宙マイクロ波背景放射やビッグバン元素合成から得られた値と矛盾しない。

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