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神経変性:APOE4は認知機能低下を予測する血液脳関門の機能不全の原因となる
Nature 581, 7806 doi: 10.1038/s41586-020-2247-3
認知症やアルツハイマー病に血管が関与しているという認識はますます高まっている。最近の研究で、血液脳関門(BBB)の崩壊は、アルツハイマー病の臨床病期初期などのヒト認知機能障害の初期バイオマーカーであることが示唆されている。アルツハイマー病の主要な感受性遺伝子であるアポタンパク質EのE4バリアント(APOE4)は、BBBの崩壊の加速と、BBBの完全性を維持している脳内毛細血管周皮細胞の変性につながる。しかし、APOE4の脳血管作用が認知機能障害に関与しているかどうかは明らかにされていない。今回我々は、海馬と内側側頭葉におけるBBBの崩壊によって、APOE4保有者(ε3/ε4あるいはε4/ε4対立遺伝子を持つ)とAPOE4非保有者(ε3/ε3)とを区別できることを示す。この所見は、認知機能障害のないAPOE4保有者でも明らかで、認知機能障害のある保有者ではより重篤であるが、脳脊髄液や陽電子放出断層撮影法で測定したアミロイドβやタウ病変とは関係がなかった。BBB周皮細胞損傷のバイオマーカーである可溶性PDGFRβの脳脊髄液中のベースラインレベルが高いことは、APOE4保有者の将来的な認知機能低下を予測したが、非保有者ではアミロイドβとタウの状態を考慮に入れた後でも予測せず、BBBを分解するシクロフィリンA–マトリックスメタロプロテアーゼ9経路活性の脳脊髄液中での上昇と相関していた。我々の知見は、BBBの崩壊が、アルツハイマー病の病状とは独立に、APOEに関連した認知機能低下に関与しており、APOE4保有者における治療標的となり得ることを示唆している。

