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気候科学:熱帯土壌炭素貯蔵の千年スケールの水文気候制御
Nature 581, 7806 doi: 10.1038/s41586-020-2233-9
陸域生物圏での有機炭素の貯蔵は、幅広い時間スケールにわたって待機中の二酸化炭素濃度に直接影響を及ぼす。陸域生物圏内では、炭素貯蔵量が気温や水文気候の変化などの環境変動に応答して変化し得るため、大気中の二酸化炭素量にフィードバックが生じる可能性がある。中高緯度域では、温度が土壌有機炭素の貯蔵を制御しているが、熱帯域では、水文気候が土壌炭素の持続性を主に駆動している可能性がある。しかし、大規模な水文気候の変動に対する熱帯の土壌炭素放出の感度については、まだほとんど分かっていない。本論文では、インドの夏季モンスーンの降雨量の変化が、過去1万8000年にわたってガンジス・ブラマプトラ川流域の土壌炭素の滞留時間を制御してきたことを示す。バルク有機炭素および陸上高等植物バイオマーカーの放射性炭素年代の、同じ場所の古水文学的記録との比較によって、モンスーンの降雨量と土壌有機炭素貯蔵量の間に千年スケールの負の関係があることが明らかになった。退氷期を通して、流域全体の土壌炭素貯蔵量の減少は、降雨量の増加とそれに伴う土壌呼吸速度の上昇によって引き起こされていたことが分かった。今回の結果は、熱帯域における将来の水文気候の変化によって、土壌炭素の不安定化が加速し、大気中の二酸化炭素濃度がさらに増大する可能性が高いことを示唆している。

