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膵臓がん:オートファジーはMHC-Iの分解により膵臓がんの免疫回避を促進する

Nature 581, 7806 doi: 10.1038/s41586-020-2229-5

免疫回避はがん治療にとって重大な障害である。免疫回避の一般的な機構には、主要組織適合遺伝子複合体クラスI(MHC-I)の変異あるいはヘテロ接合性の消失によって引き起こされる抗原提示の障害が含まれていて、これは免疫チェックポイント阻害(ICB)療法への抵抗性に関わるとされてきた。しかし、膵管腺がん(PDAC)はICBを含むほとんどの治療法に抵抗性であり、MHC-I発現の低下がよく見られるにもかかわらず、MHC-Iの喪失を引き起こす変異はほとんど見つかっていない。今回我々は、PDACではオートファジーの積み荷受容体であるNBR1が関与するオートファジー依存性機構により、MHC-I分子が選択的にリソソーム分解の標的となることを示す。PDAC細胞では、細胞表面でのMHC-I発現の低下が見られるが、オートファゴソームやリソソーム内にMHC-Iが顕著に局在していることが明らかになった。オートファジーを阻害すると、細胞表面のMHC-Iの存在レベルが回復して、抗原提示の改善、抗腫瘍T細胞応答の増強、宿主の同系マウスでの腫瘍増殖低下につながった。その結果、オートファジー阻害による抗腫瘍効果は、CD8+ T細胞の除去、もしくは細胞表面のMHC-I発現減少によって見られなくなる。遺伝的な方法、あるいはクロロキンによる薬理学的方法によるオートファジー阻害は、二重ICB療法(抗PD1抗体と抗CTLA4抗体を用いる)と相乗的に働いて、抗腫瘍免疫応答の増強につながった。我々の知見は、オートファジーあるいはリソソームの機能の増強が、MHC-I分子を選択的に分解標的とすることで免疫回避に役立っていることを実証しており、またオートファジー阻害と二重ICB療法の併用がPDACに対する治療戦略となることの論理的根拠を示している。

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