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神経科学:損傷した成体ニューロンは胚性増殖の転写状態に逆戻りする
Nature 581, 7806 doi: 10.1038/s41586-020-2200-5
脊髄由来の神経前駆細胞(NPC)の移植片によって、脊髄損傷後の皮質脊髄軸索のロバストな再生と前肢機能の回復が可能になる。しかしこの再生の基礎となる分子機構は分かっていない。今回我々は、マウスにおいて皮質脊髄路(CST)の運動ニューロン特異的な翻訳プロファイリングを行い、脊髄損傷後とNPC移植後の「再生トランスクリプトーム」を特定した。宿主CSTニューロンにおいて、損傷単独、および損傷とNPC移植片の組み合わせで見られたトランスクリプトーム初期応答はどちらもほぼ同じだったことは重要である。しかし、損傷単独のマウスでは、この再生トランスクリプトームは2週間後に抑制されたのに対して、NPC移植マウスでは、このトランスクリプトームは持続していた。この再生トランスクリプトームは、CSTニューロンの胚性転写状態への逆戻りを示している。ハンチンチン遺伝子(Htt)は、再生トランスクリプトームの重要なハブの1つであり、Httを欠失させると再生が顕著に弱まることから、Httは損傷後の神経可塑性に重要な役割を担っていることが明らかになった。

