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がん:グリオーマでの高頻度変異の機構と治療関連性
Nature 580, 7804 doi: 10.1038/s41586-020-2209-9
グリオーマ(神経膠腫)の一部では、高い遺伝子変異量(高頻度変異)が観察される。しかし、高頻度変異を生じる機構や、これが免疫療法への応答を予測するかどうかはよく分かっていない。今回我々は、1万294例のグリオーマで遺伝子変異量の分子的決定要因やシグネチャーを総合的に解析して、高頻度変異につながる2つの主要な経路を明らかにした。1つはDNAポリメラーゼとミスマッチ修復(MMR)遺伝子の体質性欠陥と関連したde novo経路であり、もう1つは治療後に見られるもっとありふれた経路で、化学療法薬テモゾロミドによる治療後に再発する化学療法感受性グリオーマでMMRの欠陥により生じる獲得抵抗性と関連している。治療後に高頻度変異が起こったグリオーマの変異シグネチャーは、MMRに欠陥のある細胞でテモゾロミドが引き起こす損傷により実験的に再現された。MMRに欠陥のあるグリオーマは、顕著なT細胞浸潤を欠き、広範な腫瘍内不均一性、低い患者生存率、PD-1阻害への応答率の低さを特徴とする。さらに、MMR欠陥グリオーマでのマイクロサテライト不安定性はバルク解析では検出されなかったが、治療後に高頻度変異が起こったグリオーマ細胞の単一細胞全ゲノム塩基配列解析ではマイクロサテライト変異が見つかった。以上の結果は、化学療法はPD-1阻害に対する応答を促進することなく高頻度変異の生じた集団の獲得を推進することがあるのを明らかにしており、がんで遺伝子変異量と変異のシグネチャーが診断に使えることを裏付けている。

