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量子物理学:ナノフォトニック共振器に埋め込まれたイオンの制御とシングルショット読み出し

Nature 580, 7802 doi: 10.1038/s41586-020-2160-9

光ネットワークを使った長距離にわたるエンタングルメントの分配は、興味深い巨視的な量子現象であり、先進的なコンピューティングや安全な通信向けの量子系に応用がある。量子ネットワークの構築には、原子やイオンなどの光学的にアドレス可能なキュービットに基づくスケーラブルな量子光–物質インターフェースが必要で、そうしたインターフェースの有望な候補として、量子ドット、およびダイヤモンドや炭化ケイ素の欠陥といった、固体エミッターが登場した。こうした系はこれまでスケールアップできなかったため、代替プラットフォームを開発する動機となってきた。中心的な課題は、光–物質相互作用と光ファイバーへのチャネル発光を増強するフォトニック共振器と結合しながら、コヒーレントな光学遷移とスピン遷移を示すエミッターを特定することである。結晶中の希土類イオンには、量子ストレージや量子変換に適した高度にコヒーレントな4f–4f光学遷移とスピン遷移があることが知られているが、単一の希土類イオンが分離され、ナノ共振器と結合されたのはつい最近のことである。量子ネットワークへの単一の希土類イオンの使用に向けた重要な次のステップは、フォトニック共振器における長いスピンコヒーレンスとシングルショット読み出しの実現である。今回我々は、オルトバナジウム酸イットリウムホスト結晶中に作製したナノフォトニック共振器と結合した単一171Yb3+イオンの超微細スピン状態のスピン初期化、コヒーレントな光学操作とスピン操作、高忠実度のシングルショット光学読み出しを実証する。このイオンの光学遷移とスピン遷移は磁場ゆらぎの一次の影響を受けにくく、これによって1 K以上の温度でも、共振器結合イオンにおいて1 MHz未満の光学線幅と30 msを超えるスピンコヒーレンス時間が可能になった。この共振器増強発光率によって、効率の良いスピン初期化と条件付き忠実度が95%以上のシングルショット読み出しが容易になった。今回の結果は、将来の量子インターネットための、単一のコヒーレントな希土類イオンに基づく固体プラットフォームを例示するものである。

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