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神経科学:報酬誘発性の線条体ドーパミン放出の局所的および全脳的な影響
Nature 580, 7802 doi: 10.1038/s41586-020-2158-3
神経伝達物質であるドーパミンは、報酬刺激による行動の強化に必要である。神経科学者はこれまで、ドーパミンの機能を簡潔な概念的用語で規定しようと試みてきたが、ドーパミン放出の実際的な意味合いは、脳全体にわたるさまざまな因果関係に依存している。ドーパミン信号伝達の分子・細胞レベルでの作用は詳しく調べられているが、より広範な神経活動プロファイルに対する作用は、解明が遅れている。今回我々は、ドーパミン感受性分子の動的画像化と機能的磁気共鳴画像化とを組み合わせて用い、ラット脳で、線条体のドーパミン放出が報酬刺激に対する局所的・全脳的応答をどのように形作っているか検討した。その結果、ドーパミンは線条体の大部分において、定量可能なシナプス後作用(亜領域ごとに異なる)を介して刺激応答の持続時間を変化させるが、応答の規模は変えないことが分かった。また、神経化学的な手法による機能的結合解析を用いることで、線条体のドーパミン放出が遠位の応答のネットワークを増強することも判明した。ドーパミン駆動性の影響が著しい部位には、辺縁系機能と運動系機能の両方に関連した皮質領域が含まれていた。今回の結果は、最大放出部位を超えて広範に広がる、線条体ドーパミンの新たな神経調節作用を明らかにするとともに、この作用が動機付け行動の実行に必要な遠位神経集団の活動増進につながることを示している。これらの知見はまた、脳全体にわたるドーパミン機能のバイオマーカーの存在を示唆しており、これによって学習や嗜癖に関する神経画像化の結果をより正しく解釈するための基盤が得られる可能性がある。

