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生態学:種のニッチの全球的保全
Nature 580, 7802 doi: 10.1038/s41586-020-2138-7
環境の変化は急激に加速しており、多くの種が生存のために適応せざるを得なくなると考えられる。そうした適応につながる過程は、保護区が広範な環境条件にわたる全ての個体群を網羅するように徹底することで確保できる可能性がある。しかし、国際的な保全政策ではこれまで、保護区の拡大に関する目標の設定時にこうした留意点がほとんど無視されてきた。今回我々は、全球の脊椎動物1万9937種のうち、それらの生息地の環境条件が保護区に代表されている度合い(以下「ニッチ代表度(niche representation)」とする)が不十分なのは、両生類の4836種(93.1%)、鳥類の8653種(89.5%)、陸生哺乳類の4608種(90.9%)に上ることを示す。これらの不足を補うべく既存の保護区を拡大すれば、保護区となる面積は全陸地表面(陸域および内陸水域)の33.8%と、各国政府が採択した17%という現在の目標を上回ることになる。ニッチ代表度を改善するための保護区システムの拡大で優先されるべき地域は、コロンビア、パプアニューギニア、南アフリカ、中国西南部などの全球の生物多様性ホットスポットの他、地球の主要な大陸の大部分に広く存在する。これに対し、環境条件を明確に考慮せずに保護区の拡大を計画すれば、必要となる陸地表面は30.7%とわずかに減少するが、結果としてニッチ代表度が不十分となる動物は7798種(39.1%)になることが明らかになった。各国政府は現在、全球の保全目標の再交渉に向け準備を進めており、政策立案者たちには、保護区内のニッチ代表度を考慮して種の潜在的適応力の維持を手助けするという機会がある。

