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炭素循環:二酸化炭素の増加の下での成熟林における炭素の行方

Nature 580, 7802 doi: 10.1038/s41586-020-2128-9

大気中の二酸化炭素の増加(eCO2)は、植物の炭素取り込みと成長を促進し得るため、大気中のCO2濃度の上昇を減速させて、気候変動に対する重要な負のフィードバックになる。成長している幼齢林から収集された証拠は一般に、バイオマスの成長に対する強いCO2施肥効果を示しているが、成熟林がeCO2に対して同様に応答するかどうかはよく分かっていない。成熟した高木と林分では、eCO2下で光合成による取り込みが増加するが、付随する成長応答は見られないことが分かっており、eCO2下で固定された追加分の炭素の行方は不明なままである。今回我々は、成熟林で実施された最初の生態系規模の開放系大気CO2増加(FACE)実験のデータを用いて、包括的な生態系炭素収支を構築し、4年間のeCO2曝露に対する森林の応答における炭素の行方を追跡した。その結果、周囲濃度より150 ppm(38%)高くしたeCO2処理では、総一次生産を通して炭素の取り込みが12%(247 g C m−2 yr−1)増加したが、生態系レベルでは、この追加の炭素取り込みは炭素隔離の増加につながらなかったことが示された。そうではなく、余剰な炭素の大半は、いくつかの呼吸フラックスを介して放出されて大気中に戻り、土壌呼吸の増加だけで余剰な総取り込み量の半分を占めていたことが分かった。今回の結果は、eCO2の下では一般に森林の炭素シンクとして働く能力が増強されるという有力な考えと、全球の森林における炭素シンクを増やす駆動力として遍在的なCO2施肥に依存する気候緩和戦略の有効性に疑問を投げ掛けるものである。

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