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分子生物学:モノユビキチン化されたファンコニ貧血ID複合体のDNAクランプ機能

Nature 580, 7802 doi: 10.1038/s41586-020-2110-6

タンパク質のFANCIとFANCD2を含むID複合体は、DNAの鎖間架橋(ICL)やそれに関連した損傷の修復に必要である。ファンコニ貧血ではこれらのタンパク質が変異しており、この病気の患者はがんになりやすい。ICL修復のファンコニ貧血経路は、複製フォークがICLの所で停止すると活性化される。そしてこの複製フォークの停止によってID複合体のモノユビキチン化が引き起こされ、FANCI、FANCD2のそれぞれに1個のユビキチン分子が付加される。ID複合体のモノユビキチン化は、除去修復、損傷乗り越え複製、相同組換えによるICLの修復に不可欠だが、その機能は解明されていない。本論文では、モノユビキチン化されたヒトID複合体のDNAに結合した状態のクライオ電子顕微鏡構造を報告し、この複合体がDNAを囲む形の閉じた環を作っていることを明らかにする。ICL DNAに結合したユビキチン化されていないID複合体の構造(これも本論文で報告している)との比較によって、モノユビキチン化が引き金となって、IDのおけに似た開いた構造の完全な再編成が起こることが分かった。これは、一方のプロトマーのユビキチンがもう一方のプロトマーに逆向きに結合することによっている。これらの構造は、生化学データと共に、モノユビキチン化されたID複合体がICLや関連する分岐DNA構造に対する選択性を失い、滑るDNAクランプとなって、その後の修復反応を統括できるようになることを示している。またこれらの知見は、モノユビキチン化が新しい機能を持つ別のタンパク質構造を広く誘導し得る仕組みを明らかにしている。

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