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生物物理学:細菌の共存は運動性と空間的競合によって駆動される
Nature 578, 7796 doi: 10.1038/s41586-020-2033-2
細菌の多様性の基盤となる基本的な機構を解明することは、生態学やマイクロバイオーム研究の中心である。細菌は、代謝の特殊化、協調、周期的な闘争によって共存することが知られている。多くの種は運動性も持ち、運動性は、機構、利益、戦略、進化、生態学の観点から研究されている。実際に細菌は、定期的に、あるいはランダムな撹乱によって利用可能になる栄養パッチを巡って競合することが多い。しかし、共存における細菌の運動性の役割は実験的には調べられていない。今回我々は、栄養パッチにコロニーを形成する2株の細菌からなる混合個体群では、相対的な存在量が少ない個体群が他方の個体群に打ち勝つことを示す。この競合階層の逆転は、パッチ内の能動的な分離と空間的排除によって引き起こされる。つまり、移動速度が速い小さな個体群は、増殖速度が速い大きな個体群のパッチ内への移動を妨げることでこの個体群に打ち勝つことができる一方、増殖速度が速い小さな個体群は、移動速度が速い大きな個体群を最初の接触領域から追い出すことでこの個体群に打ち勝つことができる。結果として生じる空間的分離は、増殖と移動の間の弱いトレードオフおよび未占有空間が存在しないと失われるが、個体群の比、密度、走化性能力に対してはロバストであり、実験室株と野生株の両方で観察された。これらの知見は、運動性の差異と、運動性と増殖の間のトレードオフが多様性の促進に十分であることを示しており、運動性が個々の細菌の探索と生存だけでなく、ニッチ形成および集団的排除–封じ込め戦略においてこれまでに報告されていない役割を担っていることを示唆している。

