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気候科学:氷前線による南極棚氷への海洋熱輸送の遮断

Nature 578, 7796 doi: 10.1038/s41586-020-2014-5

南極氷床から海洋への質量損失はここ数十年間増大しており、これは浮遊棚氷が薄くなって、接地した氷床の流出が加速されるようになったことが主な原因である。変化の究極の駆動要因は、棚氷の底面融解の増大であると考えられており、これが動機となって、南極大陸棚の海底への、そして海底全域での棚氷へと向かう海洋熱輸送を制御する過程に、最近重点が置かれるようになっている。しかし、海岸方向への熱流束は通常、観測されている融解速度と合致するのに必要な熱流束をはるかに上回っており、重要な制御要因が他に存在することが示唆される。本論文では、棚氷に向かう熱流の深さに依存しない(順圧)成分が、棚氷の最前線の際立ったステップ形状によって遮断されていること、そして、棚氷下の空洞に流入できるのは、深度によって変化する(傾圧)成分(順圧成分よりずっと小さいことが多い)のみであることを示す。今回の結果は、ゲッツ棚氷系の直接観測と回転プラットフォームでの室内実験によって得られた。同様の順圧成分の遮断は、棚氷と海底の配置が類似した他の海域でも起こる可能性があり、これは、水柱の密度構造の変化が、大陸棚上に運ばれる熱よりも、底面の融解速度のばらつきの指標として優れていると示されている理由を説明できる可能性がある。従って、海洋の熱流束とそれによって生じる融解速度をシミュレートするためには、棚氷前面のステップ形状をモデルで正確に表すことが重要である。

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