Article
エネルギー材料:タンパク質ナノワイヤーを使った周囲湿度による発電
Nature 578, 7796 doi: 10.1038/s41586-020-2010-9
環境発電は、自立したシステム向けのクリーンな電力という展望をもたらす。太陽電池、熱電素子、機械式発電機などの既知技術には特定の環境が必要であるため、そうした技術を配備できる場所が制約されるとともに、連続発電できる可能性が低くなる。大気中の水分は遍在しており、代替手段となり得る。しかし、水分を利用した既存の環境発電技術は、持続的な変換機構がないため、周囲環境では断続的で短時間(50秒未満)のバースト電力しか生成できない。本論文では、微生物のGeobacter sulfurreducensから得られたナノメートルスケールのタンパク質ワイヤーでできた薄膜デバイスが、周囲環境で連続発電できることを示す。このデバイスは、厚さ7 μmの薄膜を挟んで約0.5 Vの電圧を持続的に生成し、電流密度は約17 μA cm−2であった。我々は、このエネルギー生成の背後にある駆動力が、この薄膜が空気中に自然に存在する湿気にさらされた際に薄膜内部に形成される自続的な水分勾配であることを見いだした。複数のデバイスを接続すると、電子回路への給電の電圧と電流が線形に増大した。今回の結果は、他の持続可能な手法ほど場所や環境の条件に制約されない、連続的な環境発電戦略の実現可能性を実証している。

