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代謝:GDF15は体重やエネルギー収支に対するメトホルミンの効果を仲介する
Nature 578, 7795 doi: 10.1038/s41586-019-1911-y
メトホルミンは、世界で最も多く処方されている抗糖尿病薬で、2型糖尿病のリスクが高い人の発症予防にも効果がある。この効果の60%以上は、メトホルミンが持続的に体重を減少させる作用によるものと考えられているが、メトホルミンが体重を減少させる分子機構は解明されていない。今回我々は、2つの独立した無作為化対照臨床試験において、メトホルミンがペプチドホルモンであるGDF15(growth/differentiation factor 15)の血中レベルを上昇させたことを示す。GDF15は、脳幹限定的な受容体を介して摂食量を減少させ、体重を減少させることが明らかにされている。野生型マウスでは、メトホルミンの経口投与は血中GDF15を増加させ、GDF15の発現は主に腸遠位部と腎臓で上昇していた。メトホルミンは、野生型マウスでは高脂肪食に応じた体重増加を防いだが、GDF15やその受容体であるGFRAL(GDNF family receptor α-like)を欠失したマウスではその効果が見られなかった。高脂肪食を与えた肥満マウスにおけるメトホルミンの体重減少効果は、GFRALアンタゴニスト抗体によって無効化された。メトホルミンはGDF15依存的にエネルギー摂取とエネルギー消費の両方に効果を及ぼしたが、血中グルコースレベルを低下させる作用についてはGDF15の活性がなくても保たれていた。以上より、メトホルミンは血中のGDF15レベルを上昇させ、これがメトホルミンの化学予防薬としての働きを支える主要因子であるエネルギー収支と体重に対する有益な作用に必要であることが明らかになった。

