Article
がん免疫学:B細胞と三次リンパ組織様構造は免疫療法の奏効性を高める
Nature 577, 7791 doi: 10.1038/s41586-019-1922-8
免疫チェックポイント阻害(ICB)による治療は、がん治療に革命を起こしている。これまで、臨床奏効性を高めるための予測バイオマーカーや戦略は、主にT細胞区画に焦点が合わせられてきた。しかし、ICB療法ではあまり研究されていないとはいえ、抗腫瘍免疫には他の免疫サブセットも関与している可能性がある。以前に黒色腫患者で行われたネオアジュバントICB治験では、標的化発現プロファイリングによって、奏効患者では、非奏効患者に比べて腫瘍のB細胞シグネチャーが濃縮していることが示されている。この結果に基づき、今回我々は細胞集団のRNA塩基配列解読を行い、奏効患者と非奏効患者の腫瘍で最も異なる発現を示す遺伝子群が、B細胞マーカーであることを見いだした。この知見は、免疫と間質の組成を評価する計算手法(MCPカウンター)によって、今回のコホートに加え、他の2つのICB療法コホート(黒色腫と腎細胞がんの患者)で裏付けられた。組織学的な評価では、三次リンパ組織様構造中にB細胞が局在していることが明らかになった。細胞集団および単一細胞のRNA塩基配列解読により、B細胞の機能的関与の可能性を評価したところ、奏効患者ではB細胞がクローン増殖し、独特な機能的状態にあることが実証された。また、マスサイトメトリーでは、スイッチ記憶B細胞が奏効患者の腫瘍に豊富に存在していることが分かった。まとめると今回のデータは、B細胞と三次リンパ組織様構造が、ICB療法の奏効性に潜在的な役割を持つ可能性を示しており、バイオマーカーや治療標的の開発に対する示唆を含んでいる。

