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生体材料:結晶成長調整剤間の拮抗的な協同性
Nature 577, 7791 doi: 10.1038/s41586-019-1918-4
自然界や産業界のあらゆる過程で多成分環境からの結晶化が利用されているのに対し、実験室での取り組みでは純粋な溶質の結晶化や単一の成長調整剤の効果に重点が置かれている。今回我々は、ヘマチン(マラリア原虫の生理機能に関連するモデル有機化合物)の結晶化を妨げる阻害剤ペアが利用する分子機構を調べた。我々は、走査型プローブ顕微鏡法と分子モデリングを組み合わせて用い、ヘマチン結晶の成長をキンクブロッキングとステップピンニングという異なる機構で抑制する成分からなる阻害剤ペアが、阻害剤の組み合わせと使用濃度に応じて、相乗的な協同性と拮抗的な協同性の両方を示すことを実証する。2種類の結晶成長調整剤間の相乗作用は予測されているが、ヘマチン阻害剤の拮抗的な協同性は現在の結晶成長モデルでは反映されていない。我々は、キンクブロック剤によって、ステップ端の線張力が低下することによって、結晶層の核形成と、ステップピン止め剤が作るゲートを通るステップ伝搬の両方が促進されることを実証する。結晶化調整剤間の協同性に関する分子的な観点から、結晶物質の合成における調整剤の組み合わせに関する指針が得られる。今回提案する機構は、自然系と工学系の両方において複雑な多成分媒質内で生じる結晶化を理解し制御するための戦略を示している。より広い観点では、今回の結果は、結晶界面の構造とダイナミクスを介した結晶と調整剤の間の相互作用の複雑性を浮き彫りにしている。

