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ウイルス学:ウイルスの抗CRISPRリングヌクレアーゼはIII型CRISPR免疫を崩壊させる

Nature 577, 7791 doi: 10.1038/s41586-019-1909-5

細菌やアーキアのCRISPR系は、転移性遺伝因子に対抗する適応免疫をもたらす。III型CRISPR系がウイルスRNAを検出すると、Cas10タンパク質の2つの領域、すなわちHDヌクレアーゼドメイン(ウイルスDNAを分解する)とシクラーゼドメイン(ATPからサイクリックオリゴアデニル酸を合成する)が活性化される。次いで、サイクリックオリゴアデニル酸が、CRISPR関連ロスマンフォールドドメインを持つ防御用酵素を活性化し、強力な抗ウイルス応答を作り出してウイルスを消滅させる。サイクリックヌクレオチドが宿主–病原体の相互作用に関わることを示す報告は増えつつある。今回我々は、サイクリックテトラアデニル酸(cA4)を迅速に分解する、ウイルスの抗CRISPR(Acr)酵素の新しいファミリーを見つけ出した。このウイルスリングヌクレアーゼAcrIII-1は、アーキアや細菌に感染するウイルス、またプロウイルスに広く存在している。AcrIII-1は、これまで知られていなかった折りたたみ構造を使ってcA4に特異的に結合し、保存された活性部位を用いてこのシグナル伝達分子を迅速に分解するので、ウイルスはIII型CRISPR防御系を中和可能になる。AcrIII-1ファミリーの宿主の範囲が広いのは、特異的なCRISPRエフェクタータンパク質ではなく、シグナル伝達分子であるcA4の方を標的としているからである。これらの知見は、サイクリックヌクレオチドによるシグナル伝達がウイルスとその宿主の間の抗争に重要な役割を担っていることを明確に示している。

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