Article
がん免疫学:B細胞は肉腫における生存と免疫療法の奏効性に関与する
Nature 577, 7791 doi: 10.1038/s41586-019-1906-8
軟部組織肉腫は、50以上の組織学的サブタイプのある、不均一ながんの一群である。異なるサブタイプの患者の臨床症状は非定型であることが多く、免疫チェックポイント阻害などの治療に対する奏効性が大きく異なる。今回我々は、このような臨床でのばらつきを説明するために、軟部組織肉腫のサブタイプを網羅する608の腫瘍について、遺伝子発現プロファイルを調べた。我々は、その腫瘍微小環境の構成に基づいて免疫を基盤とした分類を確立し、低免疫群(AとB)、高免疫群(DとE)、および高度血管増生群(C)という5つの異なる表現型を特定した。独立した検証コホートのin situ解析から、クラスEは、T細胞と濾胞樹状細胞を含んでいて、B細胞を非常に多く含む三次リンパ組織様構造の存在によって特徴付けられることが示された。CD8+ T細胞や細胞傷害性細胞の多寡にかかわらず、B細胞は最も強力な予後因子である。このクラスE群は、第2相臨床試験でペムブロリズマブによるPD1阻害に対して生存が改善され、高い奏効率を示した。以上より、今回の研究は、軟部組織肉腫患者の免疫サブタイプを確認するとともに、B細胞に富んだ三次リンパ組織様構造が、臨床における意思決定や治療の指針となる可能性を明らかにしている。これは、他の疾患にもより広く応用できるかもしれない。

