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微生物学:母体の微生物相を標的とする移行抗体が新生仔の腸管感染を防ぐ
Nature 577, 7791 doi: 10.1038/s41586-019-1898-4
母体からの移行抗体は新生仔の感染を防ぐが、防御抗体が事前に病原体に曝露されることなく誘導される仕組みについてはほとんど分かっていない。今回我々は、IgG産生能のない新生仔マウスで、抗体が胎盤あるいは母乳を介して送達される場合には、母体の微生物相に対する移行IgG自然抗体が腸内病原菌の毒素原性大腸菌(enterotoxigenic Escherichia coli)の感染を防ぐことを示す。移行抗体が十分な母マウスあるいは移行抗体が欠損している母マウスのいずれかによって育てられた仔マウスに毒素原性大腸菌チャレンジを行ったところ、毒素原性大腸菌によって引き起こされる粘膜疾患を防ぐには母乳由来のIgGが重要であることが分かった。IgGはまた、大腸菌による全身感染も防いだ。仔マウスは、新生仔期のFc受容体を用いて、IgGを母乳から血清中に移行させた。母体の共生微生物相は、毒素原性大腸菌や他の腸内細菌科種が発現する抗原を認識する抗体を誘導できる。仔マウスで共生細菌のパントエア属(Pantoea)の種に対抗する移行抗体を誘導すると、毒素原性大腸菌の感染を防ぐことができた。特定の新生仔病原菌に対する防御抗体を誘導する微生物相のこのような役割は、新生仔の感染に対抗する重要な宿主防御機構である。

