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神経科学:近傍統計によって明らかになった運動学習の高速・低速要素

Nature 577, 7791 doi: 10.1038/s41586-019-1892-x

環境の影響、発達、学習によって生じる行動の変化は、特別に選ばれた少数の特徴(音の発声の平均的な高さなど)に基づいて定量化されることが一般的であり、離散的な種類の行動(異なる音節など)の存在が想定されている。しかし、そのような方法は異なる行動やモデル系の間で十分に一般化することができず、行動変化の重要な要素を見逃してしまう恐れがある。本論文では、近傍統計(nearest-neighbour statistics)に基づいた、より一般化された行動変化の記述法を提示し、それを鳴禽類であるキンカチョウのさえずりの発達に適用した結果を報告する。第一に、我々は「レパートリー時間設定(repertoire dating)」という概念を導入した。これは、各行動表現(個々の発声など)にレパートリー時間を割り当てるもので、行動レパートリーの中で類似の表現が典型的であった時間を表す。レパートリー時間は発声の学習や発達による長期的な変化と合致する発声多様性の要素を分離し、行動のレパートリーを「退行」、「先取り」、「典型的表現」に層別化する。第二に、我々は層別化された「行動の軌跡」に関して発声変化の総体的ながら低次元の描写を得た。これによって、これまで認識されていなかった高速および低速の時間スケールの無数の行動変化の要素と、行動のレパートリー全体にわたる夜間固定(overnight consolidation)の異なるパターンが明らかになった。退行の日周変化は弱い固定しか受けないのに対し、先取りおよび典型的表現は十分に固定されることが分かった。行動が、恣意的である可能性のある実験者の決めた目標に対してではなく、行動自体に対してどのように進化するかを表した我々のノンパラメトリックな描写は、その一般性から、多様な行動や種だけでなく、多様な生物系や人工系の全てにわたって学習と変化を比較するのに適していると思われる。

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