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エネルギー科学:酸素レドックス型カソードにおける最初のサイクルの電圧ヒステリシスの超構造による制御

Nature 577, 7791 doi: 10.1038/s41586-019-1854-3

従来のインターカレーションカソードでは、アルカリ金属イオンが層状材料を出入りし、遷移金属イオンの可逆的な酸化還元によって電荷が補償される。リチウムイオン電池やナトリウムイオン電池に使用されるカソード材料がアルカリを多く含む場合、遷移金属単独ではなく、酸化物と遷移金属イオンに電荷を蓄えることによって電池のエネルギー密度が向上する可能性がある。最初の充電時にはO2−の酸化に伴って電圧が高くなるが、この電圧は放電時に回復しないため、エネルギー密度が低下する。この最初のサイクルの電圧損失(ヒステリシス)を説明するために、遷移金属イオンがアルカリ金属層に移動するという説が提案されている。今回我々は、2つの類縁インターカレーションカソードNa0.75[Li0.25Mn0.75]O2とNa0.6[Li0.2Mn0.8]O2の比較によって、最初のサイクルの電圧ヒステリシスが、カソードの超構造、具体的には遷移金属層におけるリチウムイオンと遷移金属イオンの局所的秩序化によって決まることを示す。Na0.75[Li0.25Mn0.75]O2におけるハニカム超構造(ほぼ全ての酸素レドックス型化合物に存在する超構造)は、固体内部での分子状O2の形成が一因となり、充電時に失われる。O2分子は放電時に開裂してO2−を再形成するが、マンガンイオンが面内を移動してO2−の周りの配位状態を変え、放電時の電圧を低下させる。一方、Na0.6[Li0.2Mn0.8]O2におけるリボン超構造は、マンガンの乱れ、ひいてはO2形成を阻止するため、ヒステリシスが抑制され、O2−において安定な正孔の形成が促進される。こうした正孔の形成は、X線吸収分光法によって明らかになった。今回の結果は、遷移金属の移動を抑制するリボン超構造を遷移金属層に持つ材料を作製することによって、酸素レドックス型カソードにおける電圧ヒステリシスが避けられることを示している。

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